
来年から研究室配属だけど、研究室選びのポイントが知りたい!
今回は、現役大学院生である筆者が自分に合った研究室の選ぶための5つの判断ポイントを紹介します。
- 今後研究室に配属予定の理系大学生
- 研究室選びに悩んでいる人

自分に合った研究室を選ぶための判断ポイント
研究室を見極める判断ポイントは以の5つです。
- 意識高い系vs意識低い系
- コアタイムありvsなし
- ゴリゴリ実験vsスマートPC
- オリジナル研究vs共同研究
- 研究室の雰囲気との相性
順番に解説していきます。
意識高い系vs意識低い系

あなたはバリバリ研究をしたいですか?
それともテキトーにやり過ごしてさっさと卒業したいですか?
研究がやりたくてしょうがない人は、同じ志を持つ人が所属する意識高い系研究室に入るのがいいでしょう。
反対に研究に全然興味ない、ラクできればいいなら意識低い系研究室に入るべきです。
「この研究室は意識高い?それとも低い?」を判断するときは、以下のポイントに注目してみてください。
- 博士課程、ポスドクの人はいるか
- 毎年論文を寄稿しているか
- 国際学会にどれだけ参加しているか
- 留学生は所属しているか
- 拘束時間(コアタイム)が長いか
これらに当てはまる数が多ければ、その研究室は意識高い系である可能性が高いです。
自分の研究に対するモチベーションを再認識した上で、似た人が多い研究室に入ると〇
コアタイムありvsなし

研究室には、コアタイムなるものが存在する場合があります。コアタイムとは、企業でいう「必ず勤務すべき時間帯」です。
要するに、「最低限この時間帯は研究室にいてね」というルールですね。
それまでは授業を受けるためだけに大学に来ていたのが、例えば平日10:00~17:00で拘束されることになります。研究室によって、このコアタイムは大きく異なります。
一見「コアタイムがない方が絶対ラクじゃん!」と感じるかもしれません。でも実は、コアタイムにもメリットがあるんです。
- 研究をコツコツ進められるので、ある程度先の見通しができる
- 放任主義の教授の可能性が低い
研究をコツコツ進められるので、ある程度先の見通しができる
研究室ではさまざまな研究テーマが扱われていますが、どんな研究であってもある程度実験量は必要です。
コアタイムが存在しない研究室に入ると、なかなかやる気にならない人は研究室に行くのが面倒になって大学を休みがちになります。
研究の進捗が遅れて卒業ギリギリになって毎日徹夜で研究室にこもるハメになるというのがよくあるパターンです。
逆にコアタイムがあると、とりあえず研究室に来る習慣が付きます。
研究室に来てしまえば「来たんだし、実験するか」という感情になります。コツコツと研究を進めることができ、ギリギリになって追い詰められることもありません。
放任主義の教授の可能性が低い
コアタイムのない研究室の教授は放任主義の人が多い傾向にあります。こうなると、日々のスケジュール管理や研究成果が良くも悪くも学生依存になります。
学生がサボっていても教授は何も注意しないので、結果的に学生が苦しむ結果になります。
実際、コアタイムがなければ自由な時間が多いのも事実です。
自分を律してしっかりと時間管理ができる人にはむしろおすすめです。自分の性格に合ったコアタイムを選ぶことをおすすめします。
(ちなみに、筆者の研究室は平日10:00~17:00です。自分に甘い性格なので、ある程度コアタイムがある今の研究室が合っていると感じます。規則正しい生活も送れるし。)
- 時間管理ができる人はコアタイムがなくても心配なし
- 朝弱い人、自分に甘い人はコアタイムがある研究室が〇
ゴリゴリ実験vsスマートPC

次に考えるのは、基本的な研究スタイルについてです。大きく分けると、研究スタイルは2パターンに分けられます。
- 自分で手を動かしてゴリゴリ実験する
- PCを使ってシミュレーションや解析を行う
自分で手を動かしてゴリゴリ実験する
ゴリゴリ実験派は、自分で実際に手を動かして実験を行います。危険な装置や薬品を扱うこともしばしばですが、その分やりがいがあるとも言えます。
- ずっと机に向かっているのが苦痛
- PC作業が苦手
- 自分で実際に手を動かして取り組みたい
こういったデスクワークに苦手意識がある人、実験をやりたい人に向いていると思います。
ゴリゴリ実験派のデメリットとしては、
- 実験によっては長時間拘束される
- 実験で服が汚れやすい
- 資料作成のためになんだかんだPCは必須
などがあります。
PCを使ってシミュレーションや解析を行う
スマートPC派は、基本的にPCを使って研究を行います。
PC1台で研究できるので、研究室に来なくてもどこでも研究ができるのは大きなメリットです。実験をしないので、服が汚れることもありません。
ただ、PCに疎い人だと慣れるまで時間がかかることもあります。
- デスクワークが苦手な人はゴリゴリ実験タイプがおすすめ
(最低限のPCスキルは必要) - PC1台でどこでも研究ができるのがスマートPCタイプの大きなメリット
オリジナル研究vs共同研究

大学の研究には大きく分けて2種類の研究テーマがあります。
- 研究室オリジナルの研究テーマ
- 企業や他研究室との共同研究テーマ
一つ目は、研究室が独自に研究している、その研究室オリジナルの研究です。
もう一つは、大学の研究室と企業の研究機関が協力して研究を推し進める、共同研究です。これがなかなかに厄介なんです。
オリジナルテーマと共同研究テーマの大きな違い
研究室オリジナルの研究と企業との共同研究の大きな違いは、求められる研究量です。共同研究の方が、圧倒的に研究量が必要です。
共同研究者である企業や他大学の研究室は、一緒に研究を推し進める仲間です。しかし、仲間であると同時にライバルのような関係なので、先を越されるわけにはいかないのです。

勝ち負けとかないけど。要は教授たちのしょうもないプライド勝負に巻き込まれるのです
共同研究をしていると、研究室の定期報告会と別に共同研究の定期報告会があります。
なので、単純にいえば倍忙しくなります。
共同研究のメリットとしては、その研究室の中でも教授らが特に力を入れています。ですので、先生方のサポートはかなり手厚いですし、規模の大きな研究であることが多いです。
共同研究をしていると、就職活動でのエピソードとしてもインパクトがある話ができることも大きなメリットですね。
同じ研究室でも、オリジナル研究と共同研究両方を扱っていることもあります。
希望の研究室に配属された後でも、気を抜かないようにしましょう。
- 共同研究は求められるレベルが高いが、その分やりがいやメリットもある
- 研究室配属後に、どのテーマが共同研究でどのテーマがオリジナルか把握しておくと〇
研究室の雰囲気との相性

これがなんだかんだ一番重要です。
研究室に配属されると、研究室の教授や先輩、同期など新しい人間関係が生まれます。
人間関係で上手くいかないと、研究室に行きづらくなって不登校になり卒業できなくなる、なんてことにもなりかねません。

自分がそんなことなるわけないよ!上手くやれるって!
と思うかもしれませんが、教授と折り合いが悪くなって大学を辞めてしまった人が実際に私の周りでもいます。
配属されてから、「うわ!この人自分との相性サイアクだ!」と気づくのでは遅いです。見学に行って、話を聞いてみるなどして教授や先輩学生たちの雰囲気を把握しておきましょう。
「この人たちとなら仲良くやっていけそう!」と思えるのがベストですね。
また、気になる研究室があるのなら、他の研究室の見学に行った際にこう聞いてみましょう。
「ちなみに、〇〇研究室ってどんなイメージですか?」
人は見栄を張りたくなる生き物です。
直接「あなたの研究室はブラックですか?」と聞かれたら、仮にブラックであっても「はいそうです」とはなかなか言わないものです。
サークルの新歓で後輩を勧誘するとき、「このサークルって、楽しいですか?」と聞かれて、「いやあ、びっくりするくらい全然楽しくないよ」なんて言わないのと同じです。
暗い闇の部分は素直に聞いてもどうせ答えてくれないので、他の研究室や先輩に聞いてみるのをおすすめします。
最後に
いかがだったでしょうか?
実際に研究室に所属する筆者ならではの目線で、研究室の見極め判断ポイントをまとめてみました。
- 意識高い系vs意識低い系
- コアタイムありvsなし
- ゴリゴリ実験vsスマートPC
- オリジナル研究vs共同研究
- 研究室の雰囲気との相性
読んでくださったみなさんが悔いのない研究室選択ができるように祈っています。
それではまた🌸
大学院生の研究室生活のタイムスケジュールを公開した記事も書いているので、よかったら読んでみてくださいね!

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